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いま、公明党が考えていること 佐藤優

(社会保障費一一〇兆円の財源をどう確保するか)

山口那津男 当面展開していくべき福祉政策と社会保障政策は、すでに基礎ができあがりました。問題は財源をどう確保するかです。一九九七年四月、消費税は三%から五%に上がりました。それから二〇年近くの間、日本はアジア通貨危機(九七〜九八年)、ITバブル崩壊(二〇〇〇年代初頭)、リーマン・ショック(〇八年)など何度も深刻な経済危機にさらされています。にもかかわらず、五%の消費税はほとんど水平ラインで毎年約一〇兆円の税収をもたらしてきました。

佐藤優 時代がどうブレ用が、消費税の税収が所得税法人税のように激しく上下することはありません。消費税は安定財源の象徴です。

山口那津男 自公政権は、安定財源であ%へる消費税の税率を一四年四月に八%へ引き上げました。さらに一七年四月には一三年の社会保障給付(年金・医療・介護など)は、過去最高の一一〇・七兆円に達しました。消費税や所得税法人税などあらゆる税収や保険料によって、社会保障の財源を確実にまかなっていかなければなりません。

佐藤優 財源の裏づけある公明党社会保障政策に、私は大きく期待しています。「もう経済成長は終わったのだから、これからは限られた財源による分配の方法だけを考えればいいのだ」と後ろ向きに考えるのか。それとも「たとえ今後高度な経済成長がなかったとしても、リーズナブルな成長を模索しながら財源の問題を解決していくのだ」と前向きに考えるのか。財源に対する公明党の考え方の根底には、人間に対する楽観主義があります。人間は労働によって、自分一人が食べていける以上の価値を生み出せる。労働によって価値創造できる。その価値創造の集積が、日本全体の成長につながる。こういう楽観主義です。

山口那津男 高度成長期には税収がどんどん入ってきましたから、政治の仕事は分配をひろげることに集中していればよかったわけです。でもいまは成長が止まり、財源が少なくなってきました。かといって、一度広げた分配を急に縮めるわけにはいきません。「成長なき分配では必ず行き詰まる」という民主党政権時代の教訓にのっとり、第二次安倍政権は成長に力を入れてきました。同時に「日本はまだまだ成長し続けられる」という過剰な楽観主義に傾くのも無理がきます。成長を目指すとともに、歳出削減の努力をする。無駄な支出は極力減らしていく。効率の悪いところから効率の良いところへ歳出を移していく。こうした合わせによって社会保障の財源を安定化させていくことができます。

佐藤優 よくわかります。

山口那津男 借金をゼロにすることは理想ですが、当面は国の借金を極力増やしすぎない。実入り(税収)に応じた支出にしていく。そういった調整を同時並行で進めることが、責任政党としての公明党の重要な取り組みです。