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包容力

今夜はいろんな想い出がよぎります

50代独身で

面白いkさんは白血病

一度再発し

その後化学療法を繰り返していました。

ある時抗ガン剤のあとの

骨髄抑制で

白血球減少し、発熱を繰り返すように

なりました。

ある晩も

悪寒が走ると

シバリングがおこり

熱測るわ

と夜中のナースコール

しんどいなあ

と話しかけるとkさんは寒気で

ふるえていました。

熱は39度を超え、

いつも笑わせてくれるkさんの

表情も険しくなっていました。

とりあえず毛布を

着せて

血圧を測った後

解熱剤の座薬を入れました。

二時間くらいのち

汗かいて着たから

身体拭くわ

とナースコールがあり

ホットタオルと新しい着替えを

持って無菌室に向かうと

kさんは涙目になっていました。

パジャマを脱がせ、

さっと汗を拭くと

kさんは手を握りました。

私も一年目で

男性に手を握られる経験もなかったので

驚いてしまいました。

着替えが終えて

熱を測ると熱は下がっていました。

大丈夫?

とたずねると、

kさんから思いがけない言葉が

「抱きしめてほしい」

私はどうしていいかわからず、

背中をさすってあげることしか

できました。

もう少し私がオトナになっていたら

あの時迷わずに両手いっぱいに

kさんを抱きしめたのに

毎日無菌室という

孤独で不安と戦う部屋で

死と向き合ってきて

崩れそうになっていたのでしょう

あの頃は

まだ気恥ずかしさがどこかで

邪魔してたのです

未熟さを思い知る想い出の一つです