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京唄子師匠

僕が大学生の頃に一度だけ歌舞伎座に出させていただいたことがあります。

1か月間。

確か3月だったかなあ。練習が2月からあり丸2ヶ月間、はぶたえや桂そして衣装の着方に四苦八苦してました。

時代劇で松井誠さんが主演。大殺陣 雄呂血 という公演で100人くらい斬られ役がいるということで僕も出させていただきました。

たくさんの夢を追う若者が一同に集まりいろんな話しもできたなあ。

1回目と2回目の間にかなり時間がありメイクもそのままで(洗ってまたするのが面倒でした。)

外出しようと外へ出ようとしたときでした。

「そのまま出るな!ちゃんとメイク落としてから行きなさい。」

叱られてしまいました。

顔を見ると京唄子師匠。松井誠さんと仲が良く楽屋見舞いにきてはったのか一緒に出られてたのかは忘れましたが 怒られてしまったのにもかかわらず少し嬉しかったのを覚えています。

心からお悔やみ申し上げます。

その後そえんじ青年は言うこともきかずメイクを落とさずでかけてました。

この歌舞伎座出演の間はよく あずま食堂に行っていました。

メイクのままで食べに行くので横に座ってた中田ボタン師匠が、

「君、なにものや?」

かくかくしかじか。

なるほど。

緊張してあまり喋れない僕を横目で見ながら出番なのか先に行かれます。

お勘定をしようとすると

お代いただいてます。

ボタン師匠は見ず知らずの僕のお勘定を出してくれてたのです。

のれんから出るとボタン師匠が誰かと喋っていました。

そえんじ「ごちそうさまでした。」

ボタン師匠「君が売れたら僕使ってやあ」

素敵な瞬間でした。